金融広報中央委員会が実施した、家計の金融行動に関する世論調査によると、2022年度の家計の金融資産は2021年度に比べて減少したようです。
二人以上世帯の家計の金融資産
以下が、資料に記載があった家計の金融資産の推移を表したグラフになります。
もう少し具体的に見ていくと、二人以上世帯の場合は、平均資産で見ると
2019年 1139万
2020年 1436万 (+25%)
2021年 1563万 (+9%)
2022年 1291万 (-18%)
と推移していて、2019年(3年前)と比べると上昇していますが、昨年度と比較すると20%近く減少しています。
中央値で見ると
2019年 419万
2020年 650万 (+55%)
2021年 450万 (-31%)
2022年 400万 (-11%)
より国民の平均的な資産状況を表している中央値で見た場合でも、2021より11%ほど減少していて、こちらはコロナ前と比べても減少している傾向があります。
前年度と比較した場合には、中央値よりは平均値のほうが減少していることから、より資産が多い人の減少度合いが高い事が分かります。
家計の資産区分で見た場合、前年度と比較すると
預貯金 -18%
保険 -19%
有価証券 -19%
その他の金融商品 -22%
と推移していて、特別に特定の資産区分が減少しているというわけでなく、同程度に減少しているようです。
今年度の調査で家計の金融資産が減少している要因としては、物価高の影響、アメリカのFRBによる金融引締に伴う株式相場の下落などが考えられるのではないかと思います。
単身世帯の家計の金融資産
次は、単身世帯の金融資産の保有額の推移です。
こちらも前年度と比較すると、資産額が減少していて、平均資産額で見ると 18%減少しています。
ただし、中央値で見ると100万円から変化していないようです。
各資産区分で見ると、
預貯金 -17%
保険 -22%
有価証券 -22%
と、それぞれ20%近く減少しているようでした。
まとめ
- 2022年度の家計資産は、2021年度に比べると二人以上世帯、単身世帯共に20%近く減少。
- 資産種別的には、預貯金、保険、有価証券がそれぞれほぼ同じくらいの割合で減少している。
- 中央値よりは平均値の減少率のほうが高いため、資産がある世帯のほうの資産の減少率のほうが資産が少ない世帯よりも大きいことが予想できる。